第一種電気工事士技能での思わぬ欠陥例を紹介|他人ごとではない自分もやってしまうかも
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第一種電気工事士技能での思わぬ欠陥例を紹介|他人ごとではない、自分もやってしまうかも パート1
2024年度から第一種電気工事士技能試験が年に2回受験できるようになった。
とは言え何とか1発で合格したいものです。
1種の技能試験では公表されている単線図通りには出題されないことが多く、施工条件が変わることにより対応できなくて不合格になってしまうことがある。
また、2種を取ってから数年たっていると欠陥になる事例が分からず昔の施工手順で進めてしまって欠陥となり不合格になってしまうこともある。
欠陥事例に関しては試験センターの欠陥判断基準についての案内があり、
電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント (2024年2月更新)に詳しく取り上げられている。
今回は、そうした欠陥例の中にも含まれて入るもののECQ講習会で実際にやってしまった欠陥例を紹介していきます。
デルタ結線の三相取出し部分の欠陥
デルタ結線そのものはきちんと接続されていますが、三相の取出し部分をよく見てみるとU相とV相はOKですがW相が間違っています。
正解はW相も変圧器代用のu部分に接続することです。U相V相W相とも二次側uから取り出すようにしましょう。時々やってしまう欠陥なので気を付けましょう。
ブレーカー代用端子台への極性欠陥
本物のブレーカーを接続する時には間違わない部分ではあるのですが負荷側部分に使用されている電線がいわゆるGラインという2.0-3Cで緑線がアース線である点には違和感がないものの、Gラインの電線が真ん中に白線があり端に黒線があるために素直に接続するとNの部分に黒線を接続してしまうという欠陥をやってしまいます。
正解はGラインの白線と黒線をひねる形にはなりますがNは白、Lは黒を接続することです。
変圧器の100V取出し欠陥
変圧器の100V取出しなのに200Vの取出しと200Vと逆になっている。
ブレーカー端子台部分の接続はOKですがよく見ると100Vが来ていると思われる電線を変圧器まで戻ってみると200V接続になっています。
これはうっかりミスの部類かもしれませんので接続の際に確認しておきましょう。試験時間に余裕があればすぐにリカバリできる部分です。
アース線の施工条件欠陥
施工条件によるアース線の接続欠陥です
<施工条件> 出題2023年度NO5より
4.変圧器代用の端子台の結線及び配置は,図4に従い,かつ,次のように行うこと。
①接地線は,変圧器T1のv端子に結線する。
正解は変圧器T1のv端子に結線する
KIPの接続欠陥
KIP電線の変圧器接続に関する欠陥例
今度は二次側の接続はOKですが変圧器の高圧側KIP線の接続で1本が不足となっています。正解は赤線で表示してある通りに1本を加える
次のような場合もある。
これも2023年度NO5の結線図に基づいていますが特にKIPの取付位置が図面に示されているので条件通りに接続することが必要です
三相の色合わせ欠陥
三相には電源側と負荷側の相の色合わせをすることが必要。色違い欠陥例
2023年度出題NO5 施工条件より
8.電線の色別(ケーブルの場合は絶縁被覆の色)は,次によること。
①接地線は,緑色を使用する。
②接地側電線は,すべて白色を使用する。
③変圧器の二次側の配線は,R相に赤色,S相に白色,T相に黒色を使用する。
④開閉器の負荷側から動力用コンセントに至る配線は,X相に赤色,Y相に白色,Z相に黒色を使用する。
正解は電源側結線でR相の赤とT相の黒を入れ替えることにより施工条件通りになります。
ちょっとしたうっかりミスで欠陥になってしまいます。欠陥が分かれば次の練習時に修正していくことによって本番で欠陥をなしにすることを目指していきましょう。